2012年12月3日月曜日

色んなところで生きていく人たち in Bandung

こんな日には町をぶらり、知らない町に行こう


はい皆さん、お元気ですか?

今日は旅気分が抜けない中、アデさんの家の周りをぶらり1人散歩しました。
なんかバンドンの駅からだいぶ離れた場所の山の中にあって、
ほんとに軽井沢的な(行ったことねーですが)感じがするんですよね〜、小さい路地があって、昔こういうところに憧れてたんです、岩井俊二の『PICNIC』って映画あるんですが、ちょっと少女趣味で恥ずかしいんですが、あの映画で塀の上から世界を見てやるってわけで浅野忠信がCHARAと塀を歩いていくんですよ、なんか10代の頃はそういう何とも言えないファンタジーを懐に抱えて社会と接することに憧れてたんですよ、わー恥ずかし。でもね、ぶらっとそんな塀沿いを歩いていて、何かその頃のとげとげして、曖昧で子供じみた空想が懐かしく思えて、まぁそれにここは全然知らない場所ということもあって、あの頃の憧れが湧いてきちゃった。今は社会は塀の上から見るもんじゃなくなっちゃいましたけどね。








それで帰ってきて、WoWok兄さんとアデさんと共にここバンドンで一番いけてる、もしかしたらインドネシアで一番いけてるキュレーターに会いに行くことになりました。




ウジョさん(スペルが分からなくてすみません)、自宅に行くといきなり本の山!歴史とアートの本、そしてこれはライブラリーだということで、自家製図書館となって人に貸し出しもしているとのことです。本屋みたいになっていて、ジョグジャのIVAAもそうですが、ライブラリーを作ってアートを知りたい人にどんどん参考書を貸し出していく、なんか広めようって意識はとてもいいですね。って日本にもあるのかもしれないけど、いかんせんそこらへん勉強不足で、でもここに来て本を借りるだけじゃなくて(ここはレジデンスもやってますが)そこにいるアーティストと直に話しができたりするとかやっぱいいですよね。千代田3331とかそんな感じなのかな?





そんなわけで、食事をいただいて、一服しているところで、本当に時間がないとのことで、ウジョさんが軽く話してくれました。開口一番、「日本のインドネシア植民地時代のことを調べているやつ、知っているか?」て聞かれて、そっから、いろいろ話します。
「バンドンのアーティストはどんな感じなんですか?」って聞いたら「バンドンにアーティストなんかいたっけ?」と壮烈な返し。歴史を知らないで作品作ってるやつなんかアーティストとは呼ばねー、的な空気がぷんぷん。若い人たちはドキュメンタ(ドイツのカッセルで行われている5年に一回の大きなアートイベント)や西ばっか見てるが、もっと自分の周りを調べてもらいたい、タイやフィリピン、インドネシアの国内のことをもっと広く調べて欲しい、そういう自分の歴史に根をつけて話す賢いアーティストが出てくることを望んでいるって話してくれました。僕の説明が悪いし、短い時間なんでなんとも深い詳細までは聞けなかったんですが、(彼ももっと時間がないと話せないって言ってたけど)、いわゆる歴史に触れましたよっていうアートのことを話しているんではなくて、どの立場や状況から作品を作っているのか、ということにより本質的に捉えているアーティスト像のことを喋っているように思えて、僕は自分ができているかどうかまだ言い切れませんが、自分の土地から生まれたアートというものに希望を見いだしていますので、そういった考え方にはとても共感しました。
その後、奥さんとも話しましたが、彼はいまインドネシアの近代(モダン)アートに興味を持っているとのことで、彼のその話しに想像を馳せました。

その自宅でギャラリーもやっているので、その展示も見せてもらい。
写真めちゃくちゃ分かりにくいんですけど、テントがあって、その中でイスラムの衣装を着た女性2人がサルサを踊っているっていう映像があります。


そして今日は月曜で閉めているにも関わらず、彼らが運営しているスペースも見せてもらいました。

PLAT FORM 3




ちゃんとした説明を受けていないので、説明はさておき。
ギャラリーではイタリア人のマルコの展示がありました。アーティストの企画を受け入れていて、何人かの審査を通ったあとで展示が生まれるとのことです。スペースはすっきりしてて、とてもいい場所だと思いました。

それでそこにアーティスト登場。ウィヨガさんです。って僕は彼の作品をIVAAでチェックしていたので知っていましたが、彼はここバンドンの若手でいけいけのアーティストだとのことです。それで彼の自宅に、歩いていきます。


ってめっちゃいい家に住んでんの、まじかっ!って思うくらい。


それで彼の作品も見せてもらうことに。

WIYOGA MUHARDANTO
















シニカルで批評的、壁だけがあってその裏で色々な人の足(キュレーターやコレクター、ギャラリスト、ディレクターに見立てた)が見えて、彼らがその壁の中で話し合っているかのごとく見える作品、真っ暗なギャラリー、偽物の食べ物を置いたギャラリーのオープニング。ちょっと言葉で説明するのは手間がかかるんですが(てか俺が馬鹿なだけか?)、そういったアートの基本システムをあざ笑うかのような作品です。面白いなと思いましたが、どこか既視感もあります。それはそのあと軽く聞いた話しからも分かりますが、バンドンは西洋のコンテクストを勉強するむきが強い、とのことだからだと思われます。あ、分かりにくいか?



その彼に駅まで送ってもらって、またまた夜行電車です!


今日は7時に駅出発で、AM2時にジョグジャに着きます。だいたい7時間くらいの乗車。長いよね〜って、ジョグジャってこういった都市から遠いんだな、って思いました。ま、地図見りゃ分かることなんですけど。
それで、この電車内で小ちゃいテレビが付いてて、『スピード』がやってて、なんか見入っちゃった、1995年の作品。もう17年前だよ、でも映画の中のサンドラブロックやキアヌリーブスは活き活き、そしてデニスホッパーも。「いやー映画って素晴らしいですね」って思いました。そんな映画を見てる横で、電車スタッフのお姉さんがお茶を売りにくる、何回も、3回乗って気がついたんだけど、圧倒的にこの売り子のお姉さんは容貌で選ばれていて、かなりキレイな人ばっか、そんな彼女たちを座ってる客のおっさんたち(僕も含まれますから大丈夫)は見つつ、映画を見つつ、それで窓の外ではどんどん暗闇が進んでいきます。



はい、今日はここまで。
なんか旅とかして、ちょっとジョグジャに戻ったらまた町の見え方も変わるかもしれないと期待しつつ。また、明日。


ではでは地球の皆さん、おやすみなさい。



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